今までの兼題

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第45回近江、淡海第46回時計第47回正座第48回手足
第49回引力第50回受信第51回凡人第52回書架・書棚
本棚・書庫
第53回進化第54回硝子第55回暗闇第56回猛犬
第57回坩堝第58回位置第59回青森第60回模様
第61回王様第62回四角第63回半島第64回懸垂
第65回全身第66回回転第67回珈琲第68回反対
第69回夫・妻第70回隣人第71回危険第72回書類
第73回眼鏡第74回午前・午後第75回人形第76回世界
第77回仲間第78回教室第79回椅子第80回阿吽
第81回土地第82回煙突第83回階段第84回 
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教室は海のしづけさ春の午後浜岡紀子
濁流に教室のまれ三・一一浜岡紀子
漢らの料理教室風光る浜岡紀子
教室のざわめく春の席替へに浜岡紀子
教室からつぽ囀りみちあふれ浜岡紀子
夜学子の教室に影足とどめ牧野洋子
蝶凍てる理科教室の十二月牧野洋子
教室を出てはや子らは風花に牧野洋子
たまさかの階段教室冬夕焼け牧野洋子
教室に陽だまり一つ冬の蝶牧野洋子
教室に独り傘待つ春驟雨松下祥子
戦後の子オルガン教室春の響き松下祥子
春光は教室半ばに差し掛かり松下祥子
教室に冷たい空気新学年松下祥子
教室のバケツの水は手に温し松下祥子
教室の光と影と青春と三島やよい
教室に親と子の夢入学式三島やよい
編み物の「お教室」へと母の笑み三島やよい
教室の隅に折雛並びをり三島やよい
遠き春「飛ぶ教室」に読まれけり三島やよい
教室の窓の明るき春岬      宮本郁江
教室の窓から見ゆる巣箱かな宮本郁江
カンナ燃ゆ理科教室の投票所宮本郁江
教室にチョークの音や冬ぬくし宮本郁江
三組の教室覗く寒雀宮本郁江
教室の外は海原勇魚の尾村瀬八千代
教室に三人島の新入生村瀬八千代
佳境なる俳句教室山笑ふ村瀬八千代
教室はつひに空つぽ巣立鳥村瀬八千代
迷ひ込む子猫教室にそよかぜ村瀬八千代
教室の窓いつぱいに桜咲く山下添子
全校で一教室や花林檎山下添子
教室の窓へ伸び行く牽牛花山下添子
教室は硝子の天井小鳥来る山下添子
指踊る編み物教室クリスマス山下添子
早朝のテニス教室梅香る和智安江
教室をからつぽにして若布干す和智安江
放課後のサッカー教室夕永し和智安江
教室のおたまじやくしに後ろ足和智安江
教室から春の大波見えし時和智安江
教室に蠟梅の香の遠慮がち浅見 百
教室に座して気がつく雪催ひ浅見 百
教室に早梅一枝の白さかな浅見 百
教室で脱ぐこと忘れ冬帽子浅見 百
教室の入り口でしはぶいてマスクする浅見 百
教室をとび出す十五の春愁安達英子
教室にカバン忘れる夏の空安達英子
教師に五色のテープ星祭安達英子
教室になじめぬ吾子の休暇明け安達英子
教室にカボチャころがる農業科安達英子
先生と教室で逢ふ謝肉祭新井大介
教室の木椅子の軋み鳥帰る新井大介
教室の気怠き中を春の蠅新井大介
教室に卵の並ぶ四月かな新井大介
教室に遊びに通ふ修司の忌新井大介
教室を俄にかへて鯛焼き屋五十嵐孝子
教室の窓辺に並ぶ黄水仙五十嵐孝子
教室の窓に拡がる春の海五十嵐孝子
教室のカーテン揺らす春一番五十嵐孝子
教室の引戸重たき菜種梅雨五十嵐孝子
教室にお国訛りや初講義石井圭子
教室を抜け出て今日は初天神石井圭子
冴ゆる朝一番乗りで教室へ石井圭子
教室に「罪と罰」ある深き冬石井圭子
冬柏教室の窓薄汚れ石井圭子
啄木の教室より来隙間風今泉房枝
教室の窓より遁げて野に遊ぶ今泉房枝
教室に人骨模型冴返る今泉房枝
「綴り方教室」は思ひ出の一冊春炬燵今泉房枝
教室に緊張満てり大試験今泉房枝
教室は縦横四角獺祭忌岩淵喜代子
教室の窓は冬空つかむ場所岩淵喜代子
教室の寄る辺となりし雪の窓岩淵喜代子
教室に坊さん来て雪まみれ岩淵喜代子
教室を柳絮の抜けてゆきにけり岩淵喜代子
教室の窓いつぱいの冬隣宇陀草子
男らの料理教室冬の蠅宇陀草子
教室の一つ空席日脚伸ぶ宇陀草子
図書教室百科事典と梅一輪宇陀草子
非常口ある教室や猫の恋宇陀草子
サンタかなバルーン教室クリスマス及川希子
冬蠅や教室に入りて飛びたがる及川希子
寒夕焼けピアノ教室二人待ち及川希子
公民館着物教室花明り及川希子
教室のよせ書き写し卒業す及川希子
クリスマスカクタス夜の図画教室岡本惠子
忘れ雪漂ひはじむ教室も岡本惠子
教室の一輪挿しに梅一枝岡本惠子
教室から隠し部屋へと鐘朧岡本惠子
春愁や廊より暗き教室の岡本惠子
二十年前教室に忘れ来しマフラー尾崎淳子
教室のビーカー割れて冬銀河尾崎淳子
龍天に昇る教室に穴あけて尾崎淳子
をらぬはずの教室に影薄氷尾崎淳子
野外教室雲雀は天へ落ちゆける尾崎淳子
教室へ眼差し優しく新入生小田裕子
文字忘れ生徒板書す春の教室小田裕子
春の朝お祈りの声教室に小田裕子
教室で旅を語りし笑顔の春小田裕子
女生徒の声春めきて教室は小田裕子
梅二月絵手紙教室和紙白し鬼武孝江
教室の窓拭き上げられて春浅し鬼武孝江
教室の黒板一面祝卒業鬼武孝江
教室に春待つ椅子と机あり鬼武孝江
春眠や階段教室最後列鬼武孝江
教室に絵具の匂ひ日脚伸ぶ河邉幸行子
教室にこぼれてありぬ年の豆河邉幸行子
教室の鎮もる時間春隣河邉幸行子
訳ありの子が教室に春の雪河邉幸行子
教室のやうやく消える春灯河邉幸行子
教室の隅のオルガン冴返る川村研治
教室の外に立たされ鳥曇り川村研治
春暑し階段教室最後尾川村研治
教室を膨らませたる卒業歌川村研治
ゆりの木の花教室の窓開けて川村研治
教室の陰キャ陽キャや春愁ひ木佐梨乃
ダンス教室の鏡に春の塵木佐梨乃
教室はLINE飛び交ふ春時雨木佐梨乃
春はやて教室以外の居場所へと木佐梨乃
旅こそが我が教室や炭酸水木佐梨乃
寒き日や教室ごとに違ふ声木津直人
教室のカーテン白く時雨の香木津直人
教室に教師の煙草小六月木津直人
五六人のこつて教室冷えてゐる木津直人
地学教室に大きな薬缶小雪舞ふ木津直人
教室に独りが二人雪の果栗原良子
チラシ飛ぶピアノ教室つちふる霾や栗原良子
村と呼ぶ教室棟へ新入生栗原良子
教室に二人三月かの時や栗原良子
教室の友筆写して春暮るる栗原良子
教室は里山にあり山笑ふ兄部千達
遍路宿教室として学びの場兄部千達
青葉潮海の教室楽しくて兄部千達
池の月ヨガ教室極めをり 兄部千達
秋蕎麦の教室孤独慰めり兄部千達
教室へ駆け込む子らの息白し小塩正子
教室のだるまストーブ爆ぜて昼小塩正子
教室の壁を埋めたる吉書かな小塩正子
脳トレのピアノ教室初稽古小塩正子
教室の隣誰かな新入生小塩正子
峠路の星座教室着ぶくれて西方来人
教室の自習の最中大くさめ西方来人
スキー教室教え子が先生よ西方来人
教室で押しくら饅頭始まりぬ西方来人
お花教室華やかに初稽古西方来人
教室の空気揺るがす大くさめ佐々木靖子
竹馬の子や教室の窓叩く佐々木靖子
教室の机片寄せかるた取り佐々木靖子
教室に風邪の子のゐて鬼ごつこ佐々木靖子
ヨガ教室冷たき空気深く吸ふ佐々木靖子
教室へ入るに勇気や氷割る島 雅子
弁当並ぶ教室のストーブよ島 雅子
教室の足踏みオルガン春きざす島 雅子
教室のピアノを借りる春休み島 雅子
アフリカの青空教室驟雨来る島 雅子
教室や言ひ出せぬまま春の恋志村万香
沈丁花教室の窓匂仄か志村万香
教室のいたちぐさ伸び窓叩く志村万香
教室の鈴少し鳴り桜散る志村万香
教室の窓春嵐通りすぎ志村万香
教室の窓といふ窓冬日燦新沢しんこ
教室に天使飛び交ふクリスマス新沢しんこ
教室ひとつきりの分校雪だるま新沢しんこ
薪ストーブの教室睡し午後からは新沢しんこ
放課後の教室土筆の忘れある新沢しんこ
一月の光たどれば教室へ末永朱胤
春浅し教室へ踏むリノリウム末永朱胤
教室に潮騒を聞く余寒かな末永朱胤
花のころ皆教室を去りにけり末永朱胤
卒業子去りし教室夕焼ける末永朱胤
子の手とり聖菓に粉糖降らしをり鈴木統子
祈る手を数へて過ごす聖夜かな鈴木統子
思ひ出すことなり蜜柑むくことは鈴木統子
鱶潜り水紋海を覆いけり鈴木統子
舞初の母と一度も目が合はず鈴木統子
初鴉神学博士教室へ高橋寛治
教室も劇場となる遅日かな高橋寛治
教室に時計は一つ春休高橋寛治
二人して教室を出る遅日かな高橋寛治
神の子も教室へ来る新入生高橋寛治
教室に冬夕焼の溜まりゆく武井伸子
教室を抜け出し枯野の秘密基地武井伸子
教室のざわめき覆ふ冬の雲武井伸子
教室の裏へ出づれば青き踏む武井伸子
教室の窓に寄りくる花の雲武井伸子
教室のいちばんうしろ雪兎田中美佐子
駅前の英会話教室春隣田中美佐子
教室の白いカーテン冬日燦田中美佐子
風信子期末テストの教室に田中美佐子
教室をとび出すモダンアートかな田中美佐子
理科教室うさぎ係の有頂天谷原恵理子
長靴の乾く教室雪解風谷原恵理子
教室に戦の気配バレンタインデー谷原恵理子
教室に残る約束梅ひらく谷原恵理子
教室に回る寄書き桃の花谷原恵理子
教室の記憶のなかに辛夷咲く近本セツ子
教室の椅子の大ぶり新入生近本セツ子
端つこの物理教室日永かな近本セツ子
教室にフリージアの香人在らず近本セツ子
教室のむかう小さき蝌蚪の国近本セツ子
教室のいつもの場所には福寿草千葉隆
五年生料理教室はのつぺ汁千葉隆
教室のストーブ当番赤ほつぺ千葉隆
焼け跡の仮教室に二輪草千葉隆
教室から飛び出る児童春野駈け千葉隆
眩しさよ春光の教室へ入る時同前悠久子
麗らかや教室に白墨折れる音 同前悠久子
国語教室春の海辺の席が好き同前悠久子
春眠や一時限遅刻をする教室同前悠久子
三学期「アミノ酸の歌」教室で同前悠久子
教室に蛇の皮かな昭和の子豊田静世
教室の子らの笑顔や冬苺豊田静世
編み物教室仕上げたる子のセーター豊田静世
冬ざれの理科教室のされかうべ豊田静世
教室の鼓笛洩れ来る春近し豊田静世
ヒヤシンス教室の窓開け放つ中﨑啓祐
教室の地球儀自転春休み中﨑啓祐
風光る理科教室の標本壜中﨑啓祐
春風の教室チョーク音軽し中﨑啓祐
男らの料理教室独活齧る中﨑啓祐
教室から子等の歌声冬の朝中島外男
冬うららひと汗流すヨガ教室中島外男
教室は一瞬どよめく冬の雷中島外男
教室の窓辺に立てば雁帰る中島外男
畦焼きの匂ひ届くや教室に中島外男
枯葉散り込む教室は授業中中田千惠子
教室の黒く眠るや冬の月  中田千惠子
教室の四隅広がる寒の明中田千惠子
教室を出で歌声は青き踏む中田千惠子
隣り合ふ教室花ふぶき花ふぶき中田千惠子
放課後の教室ひたと凍てにけり平林佳子
真つ先にストーブ係教室へ平林佳子
雪しまき教室の子等みな無言平林佳子
教室はぬきうちテスト冬ざるる平林佳子
教室の窓辺に並ぶヒヤシンス平林佳子