昭和28年群馬県生れ。「鬣」代表。上毛新聞俳句選者。
2004年から2008年までの評論を一集にしたもの。と言ってもいろいろな雑誌に発表したものではなく、第一章は9冊の句集について鑑賞したもので、「鬣」に毎月連載したもの。
第二章は「俳句界」に連載したもの。例えば、『「痰のつまりし仏」へ』では、池田氏と松田氏の論争について。かなり鮮明に覚えている内容だが、そこへ林氏がさらに踏み込むことで新たな厚みを出している。
書名を「俳句彼岸」としたことについて、「過去に送り込んでゆく現在が、常に未来の彼方に視線をもったものでありたい」と書き記している。この本は文庫本で、持ち歩いて読むのにいい。ふと句集も文庫本になればもっとよく読みこなせると思った。ハードカバー単行本タイプの書物は持ち歩きにくいので、あまり読まないまま本棚に収まってしまう。